「シンジ君のアレ」ことS-DATとは何なのか

2015年のうち(一応「エヴァイヤー」こと第三使徒襲来の年ですからねえ)に書いておかないとねえ、と思いつつ、検索するとすでにさんざんコスられまくったネタだし、Wikipediaに事のあらましが全部載っているようなハナシなので書くのを躊躇していたんですが、この話を教えてくれた某氏に敬意を表して。 続きを読む 「シンジ君のアレ」ことS-DATとは何なのか

代々木公園で平和裡に剣の稽古をしたいだけなんだ。

を呟いてから、(主にfacebook方面で)いくつかの反響をいただいたので、140文字では書き切れなかっとことをいくつか補足。 続きを読む 代々木公園で平和裡に剣の稽古をしたいだけなんだ。

「太極」は「taichi」なのか「taiji」なのか「タイチ」なのか「タイジ」なのか

ヒジョーに適当ではあるのですが、I know! など使いつつ、中国語の勉強を始めています。

で、ものすごいことを発見してしまいました。

太極拳の「太極/太极」の、アルファベットおよびカタカナでの表記方法の「正解」はなんなのか? についてです。

まずは、アルファベット表記、から。 続きを読む 「太極」は「taichi」なのか「taiji」なのか「タイチ」なのか「タイジ」なのか

「シーフー老師」の謎

私がことさらに言うまでもなく、「カンフー・パンダ」はあまたあるカンフーアクション映画の中でも、少なくとも演出面においては傑作の部類に入るでしょう。
昨今の実写アクション映画が、ワイヤーアクションをわざわざCGで再現とか、早回しの多用とか、鬼のように細かいカット割りとかで、謎の袋小路に陥っているのを尻目に、ゆうゆうと正統派の気持ちいいカンフーアクションをこれでもか、と繰り出してきます。
実写は生身の人間が演じているゆえに、常にある程度の「説得力」を担保しないといけないわけですが、アニメは最初からその点については自由であり、いわゆるカンフー映画の「コミカルな動き」を最大限そのまんま再現すれば即気持ちいいというアドバンテージがあります。「アニメ = animation(いきいきと躍動するさま) = 気持ち(・∀・)イイ!」の方程式が見事にハマった好例、と言えるでしょう。

だがしかし。

作品中で大きなウエイトを占める、主人公に稽古をつけるレッサーパンダの老師の呼称がどうにも気になるのです。 続きを読む 「シーフー老師」の謎

「槍より剣」ブーム、(俺に)到来

中国武術の武器術では、「槍」がもっとも大事、だと思っていた時期が俺にもありました。。テンプレ通りの書き出しで恐縮ですが、「槍は百兵の王」の言葉を引くまでもなく、槍は中国拳法において特別の地位を与えられています。

あまり複雑なことを考えるのが得意でない私は、「武器は素手の延長」という、これまた中国武術界ではよ〜く耳にする言葉も、現代において「長い棒」はある種の「トレーニング補助器具」くらいの文脈で考えればいいや、と、これまた浅い理解で練習に励んでおりました。

そして、上記の言葉から、「長い武器=有利」「短い武器=不利」という結論を引き出し、「現代においては、ナイフによる事故、事件が最も多いと思うけど、ちょっと長い棒(理論的には、平均的なサバイバルナイフのサイズである、だいたい30cmよりも長いもの)でもあれば、十分に防御できるんじゃないの?」と思っていました。

しかし、先日、葛西眞彦氏の考案した「斬撃道」の「お試し」的な実験セミナーに参加して、棒(1メートルちょいくらいかな)対ナイフ、という想定練習をしたところ、こちらが棒を持っているにもかかわらず、突進してくるナイフをまるで避けることができない、という現実に直面して、考え方を変えなければ、と思いはじめています。

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書評「太極拳で強くなれる! 最強呉式太極拳の戦闘理論」——太極拳界のティラノサウルスかもしれない

アマゾンのカスタマレビューに投稿したものを転載。「太極拳で強くなれる! 最強呉式太極拳の戦闘理論」のご購入はこちらからレビューの直リンはこっち。なお、書籍に先行して発売された、推手を中心に紹介しているDVD「呉式太極拳 最強推手要訣」のご購入はこちらから

「中の人」としては、中身の話をはじめるとつい全部説明したくなってしまうんですが、まずは手にとって欲しいのでがんばって自重。いざ作ってしまえばあれもこれもと後悔が残りますが、買って損はない内容にはなっているかと思います。制作裏話でも書くといいのかもしれないですが、まあそれだとAmazonの規約違反になりそうなんで。。

呉式太極拳の戦闘理論
呉式太極拳の戦闘理論
呉式太極拳は、「五大太極拳」のひとつに位置づけられる名流であり、制定拳の中でもその動きが取り入れられた套路が存在することから、名前だけは知られているにもかかわらず、こと日本では、「推手が強い(らしい)」「やたらと前傾姿勢をとる(らしい)」と、断片的な情報しか流通していなかった時代が続きました。

本書では、上海鑑泉太極拳社の呉式太極拳がどのような体系であり、どのような理論で闘い、どのような地平に到達しているのか、についての概観を明らかにします。

本書は、3つの意味でこれまでの太極拳入門書とは一線を画すものです。 続きを読む 書評「太極拳で強くなれる! 最強呉式太極拳の戦闘理論」——太極拳界のティラノサウルスかもしれない

呉式太極拳をやってます04(一応完結)

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山田編集長ふたたび

そんなこんなで、呉式太極拳研究会での稽古が始まります。沈先生の教え方は非常に独特でした。平均的な中拳ワナビーが想像する武術の稽古、というのは、 続きを読む 呉式太極拳をやってます04(一応完結)

呉式太極拳をやってます03

前回の記事はこちらから。

謎の「研究会」

まあ、「無極会に2年ほど通ってました」、といっても、予約して、1時間弱かけて行って、1時間稽古して帰る、というのはなかなかしんどく、めんどくさがりな私は忙しくなると、一ヶ月くらいサボったりしていたわけですが、そうなると人間は言い訳を探しはじめるものです。私の場合、それは「上達の実感がないな……」というものでした。前回書いたように、他の練習生は一人を除いては強い人がいるわけでもなく、しかし先生は別格に強く、その差が極端すぎて自分が上達しているのかどうかわからない。質問をぶつけてみても(もちろん、一応きちんと答えてくれるのですが)、あまり納得する答えを得られない。

ちょっと残念だったのは、 続きを読む 呉式太極拳をやってます03

呉式太極拳をやってます02

前回の話はこちらから

拳功房

月日は流れに流れ、2000年代の中頃。実は連れ合いが山田編集長こと山田英司氏の知り合いで、「拳功房」という道場やってるらしいんで、行かないか、という話が舞い込みます。

20年前の情熱が蘇り、ついに憧れの太極拳を学べることに。その時は深く認識していなかったわけですが、「拳児」直系の太極拳を学べたわけで、冷静に考えるとこれは実に幸運なことでした。たぶん、当時の私は、山田編集長が松田門下だった、というのは実に漠然としか理解していなかった、と思います。

初めて道場(ちょっと記憶がアイマイなのですが、池袋の極真会館本部の道場を借りていたはず)に出かけたとき、山田編集長は遅刻してきて、 続きを読む 呉式太極拳をやってます02