足裏デトックス、それでもヤル?

テレビ最近よくみかける話題のアレ、なんか引っかかるなーと思っていたら思い出した。この本の冒頭のエピソードだ。

「化学的おもしろさ」の伝道師、シュワルツ博士のもとに一人のセールスマンが訪れるところから話は始まる。

「目に見えない化学物質を、ごらんになりますか?」どうやれば目に見えないものが見えるようになるのかと、こちらに尋ねる隙も与えず、男は書類かばんからなにやら取りだした。それはべつに目を見張るようなものではなく、電極らしき二本の金属の棒がついた器具だった。
「シュワルツ博士のおもしろ化学話 チョコレートを食べても太らないってホント?」より)

その後、男は水道の水をコップに入れ、電極を入れてスイッチオン。一分もしないうちに、「気持ちの悪い黄色いかす」が浮き始める。続いて、本命の浄水器を取りだし、水道水を濾過してからくだんの装置にかけると、今度は水は濁らない。ほら、お宅の水道水はこんなに有害なのです。ぜひ浄水器を、というわけだ。

似てる。似すぎている。「有毒な水道水」が「有毒なあなたの身体」にすり替わって、一層巧妙になっていることを除いては。

博士は種明かしにあたって、まず「気持ちの悪い黄色いかす」の浮いた水を飲み干してみせる。なぜなら、この「かす」は、水道水の毒がその姿を現したもの、ではなく、装置の鉄製の電極から析出した酸化鉄、要はちょっぴりの鉄さびである、ということを見抜いていたからだ。続いて、「浄水器」で「浄化」された水に食塩を加え、くだんの装置にかける。みるみるうちに生じる「黄色いかす」。

もう、わかりましたよね?

完全な純水は電気を通しません。「何か」が溶けているときだけ、電気を通すんです。水道水を殺菌するために入っている塩素とか。足の裏にかいた汗に含まれてる塩分とか。でも、生じる「かす」はそれらが姿を現したのではなく、それをきっかけとして溶け出した電極の金属、ってわけです。まあ、たぶん間違いなく重金属でしょうな。わはは。いくら清潔な人でも、足裏を浸した水が純水と同じ、って人もいないだろうから、「水が変色しない人はいない」というエステティシャンの説明も、まあ間違いではないですな。

……と思ったら、もうあちこちで指摘されてるのね。納豆ダイエットヤラセ問題で揺れているさなか、懲りもせずトンデモ系ヘルスケアネタを、こうも堂々と取り上げ続けるテレビの中の人も大変ですね。オツムが重金属でちょっとやられてるのかもしれませんな。

※おまけ
本では「黄色いかす」となってますが、テレビではむしろ褐色になっているケースが多かったと思います。これは水酸化鉄の種類の違い(Fe(OH)3(褐色)とFeOOH(黄褐色))によるものなのでしょう。

[2007-01-25追記]
うー、週刊ポストで先にやられてた。。

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