もうずいぶん長いことしまいっぱなしだった楽器を、たまには弾いてみようとケースを開けたところ、なんと!
表板がコマ下あたりからエンドピンに向かってばっくし。「割れている」というのはやや大げさにすぎる話で、「(1ミリ未満の)断層がおきている」程度なんだけど、板を継いだど真ん中、一直線である。こういうところもニカワ接合なのかどうかしらないが、まあ、「剥がれた」のでありましょう。あわてて「弦楽器のしくみとメンテナンス1・2」を見るが、こんな時の対処は書いてない(いや、書いてなくて当然なんだが)。素人修理をする気はハナからないけど、なんらかの適切な応急処置がないかな、と思ったのだが特に記載なし。まあ、四の五の言わずゴーシュ行きでしょ、ということで翌日さっそく恵比寿へ。
楽器を見せるなり、「あーこれは大変ですね」と店員さん。裏からパッチという薄い木の板を貼って補修するので、フルオープンしないといけないらしい。(しなくても修理自体はできるらしいが、パッチ貼りができない。つまり、強度の保証ができない) ま、ヤツを放置していた私の責任なので、しゃーねーな、この際だから具合の悪いとこやっちゃってくださいな、とお願いしたところ、弦の総張り替えも含めて、激安チェロが余裕で買えるくらいのプライスオープン。一昨年からこっち、心の病を治したり歯を治したり腰を治したり(←治ってない)と人体と人生の棚卸し(という名の追加投資)が続いておりますが、今年はそれが周囲にも及びそうな悪寒……。くそー、稼いでやる。
それにしても、楽器の表板が割腹なんてそうそうないんだから、写真撮っとけば良かったなー。店には(昔はいなかった)犬もいたし。