今更ながら、「7つの習慣」を読了。まあ、実によくできた本だと思いますよ。一度は読んでおいて損はないでしょう。で、肯定的な意見はamazonのレビュアーにまかせておくとして、こういう本で本当に眼から鱗が落ちちゃうタイプの人(そんな人はココ読んでないか)向けにいくつかコメント。
●導入の「サクセス本を漁った上での結論」というオハナシはよくできていると思う
●「影響の輪/関心の輪」というモデリングも秀逸
●人間関係の「与信」を貨幣をメタファに説いているのはちょっと疑問。だいたい、たとえ話をする人間のうさんくささを、われわれは某巨大掲示板で幾度となく目にしてきたではないか同志よ
●「夫婦は1+1=2以上のもの(なぜなら、子供を作るから(!))」などなど、後半に行くにしたがって「ヲイヲイ」的な突っ込みドコロが満載。プライベートな成功もまた重要、みたいな話が家族礼賛に行っちゃったりしてなんともあぶなっかしい
●Win-Win言い過ぎ(笑)。「価値ある譲歩」もまたWin-Win、みたいな話まで出てきて、話のスジがどんどん強者の論理にすり替わっていく
……というわけで、今漠然と考えている「泥沼スパイラル」からの離脱、ということを考える際のヒントにはなったけど、やっぱり「アメリカ中華思想」のヒトの言うことだな、という感はぬぐえず。あ、あと手帳に頼るのは否定してるくせにフランクリンとつるんでいるところもツッコんでいいんですよね? あの、他のシステム手帳と互換性がないやつ。
えー、どんどん評価がアレな方向に行ってますが、仕事とか人間関係が常に不満いっぱいの人は一度は読んでみた方がいいと思いますよ。いやマジで。「最初に切るのは善意のカード」というゲーム理論の基礎をよくここまで敷衍したなあ、と。その点は評価できます。